2005.FEB(1)
2月2日

アイ・キャン・スピーク・イングリッシュ

南国最高!

というわけで、南の島への出張より恥ずかしながら帰って参りました。

まあ、出張とは名ばかりで、最初の2日で仕事を終わらせて 残りの7日間は遊びほうけていたのですが、なにぶんこちらも独り身。
プールサイドでトロピカルカクテルを飲むのも、ローカルクラブで盛り上がるのも、浜辺でのんびり昼寝するのも飽きてしいましてね。

「せっかくのビーチ。アクティビティのひとつもやってみるか」
と、思い立ったわけですよ。
そもそも来てから人と会話してないし。

そんなわけで、やってきましたトラベルカウンター。
「ハロゥ」
と声をかけるとにこやかに「ハロゥ」と応えてくれるじゃありませんか。
ううん、やっぱり人は一人じゃ生きていけないのね。

まあ「どのツラさげて“ハロゥ”だよ?」と若干の照れはあったのですが、ここは異国の地。
恥を忍んで注文をしてみましょう。

「アイ ウォント トゥ ドゥ バァナボーゥト」
「あ、バナナボートですね。」
「・・・・・」

なあ、姉さん。日本語しゃべれるなら先に言おうよ。
めちゃくちゃ恥ずかしいじゃないの。
ァーナとか言ってんだぜ。

しかも、話してみたら受付の姉さん日本人でした。
日焼けしすぎです。黒すぎです。

というとりとめもない恥ずかし話でした。
だってたいしたネタもなかったんですもの。



2月4日

スウィートメモリー

はい、こんにちわ。
しかし、あれですね。僕のように無為な日々を過ごしている身には日記なんて無謀だったのでしょうかね。
書く事なんてありゃしません。
寒いですねぇ。2月ですねぇ。節分は終わりましたねぇ。
もうすぐバレンタインですねぇ・・・・あっ!

ありました。お話し。
まあ、たいした話じゃないんですが。

僕、昔はなんかもてる奴でね。中学から大学くらいまで毎年いくばくかのチョコをもらってたんです。ふふん。
多い年は20個近くもらうこともありました。へへん。

まあ今から考えると、単に女友達が多かったって話なんですが、なかにはいわゆる「本命」ってやつもあったと思います。あったの。

そんななか、ひときわ記憶に残るチョコレート。
あれは、大学1年生の時でした。
当時ボクシング部だった僕はその日もしこたま打たれまくりました。そして、練習終了後。いつものように学食に向かい、薄暗いキャンパスを歩いていました。
すると、前方から小走りで近づいてくる女性がいるではありませんか。
彼女は数日前の英語の授業で2人組を作る際に偶然ペアを組み、それ以来顔を見ると挨拶する程度の関係の娘でした。ニット帽とかを愛用するストリートな感じの娘でしたが、僕は内心やや気になっていたものです。

彼女は僕の前で立ち止まると、軽く息を切らしながら
「チョコ作ってみたんで、よかったらどうぞ」
みたいなことを言いました。
告白とかそういうのはなかったけど、僕はかなりうれしくて満面の笑みで応えました。

「どうもありがt・・」「きゃぁー!」

御礼を言うくらいで、悲鳴を上げられちゃたまりません。
僕は疑問に思いながらふと見ると、コートの胸元にぼたぼた鼻血がたれているではありませんか。
チョコ食ってからならまだしも、もらった時点で鼻血出す奴はそうそういるもんじゃありません。おそらく、スパーの時にでた鼻血が寒い中急に声を出したことと、ちょっとした興奮でぶり返したのでしょう。
僕は、彼女の悲鳴の理由とともに、この恋が実らないであろう事も深く悟りました。




その後、彼女とは同じゼミに入ったりで仲の良い友人になったのですが、何故かその時の話は禁句のようになっています。

ただ一度だけ、酔っぱらってその時の事を聞いたことがあるのです。彼女は笑ってこういいました。

「本気でひいた」



2月7日

永遠、という名の髪型。

深夜に流れる「THE JUON」のCMって本気で腹立ちませんか?

というわけでこんばんわ。
雑文垂れ流しでおなじみの日記コーナーです。

今日は、美容院に行って来ました。
先日美容師さん(男)に
「いつもおしゃれですよね」
と言われて以来、デート以上に服装に気を遣う恒例行事。
こんなことなら最初からジャージとサンダルでいっときゃよかった、という後悔の念を押し隠し、出かけて参りましたよ。

し・か・も
今回当方いつも以上に気合いが入っております。

と、いうのも数年前の「プチ極道事件(→参照)」以来の
「パーマネント恐怖症」を克服すべく、今回はパーマを当てることにしてみたのです、はい。

しかも今回はちゃんと学習しとります。
長さも申し分ありません。
美容師とのコミュニケーションも良好です。
さあ、早速パーマの世界へ旅立とうではありませんか!

僕「ボディパーマで、軽くはねる感じに」
美容師「あ、軽い感じですねぇ、春ですもんねぇ」

よしっ。伝わった。
あとは信じて、待つだけだ。



そして、待つこと90分・・・


あれ?
デジャブかな?
僕この人知ってるよ。














!!!!!

パーマ

母さん、これボディパじゃないよ、天パだよ!
鏡に映るのは、かの北海道限定の人気者をもしのぐ不自然なウェーブ。
マジ笑えます。


こうして9000円のお支払いで
「笑える頭」というリーサルウェポンを手にした僕。
うっすら涙ぐみながら、逃げるように美容室を後にしました。

そういえばパーマをかけて
「めっちゃ良くなったね」
て人、見たことないな、今まで。



2月8日

たらんちゅら。

って、ひらがなで書くとなんかかわいい。

詩人谷川俊太郎氏は、作品で言及しています。
曰く
漢字は黙っている。
カタカナはかわいく産声を上げる(←記憶曖昧)

確かに同じ内容でも表記を変えると、その印象がガラリと変わるものです。

たとえば、こんな文を見てみましょう。

「のび太のクセにナマイキだ!」

どうですか。あのトンガリ野郎の顔が目に浮かぶでしょう。

一方、こちらの文はどうでしょう。

「のび太のくせに、生意気だ。」

息詰まる政局、緊張の走る執務室。
キャリア官僚が傀儡の大臣に向けて吐き捨てるように呟く様子が目に浮かびませんか?

浮かびませんよね。「のび太」って言ってるし。
例え失敗。




じゃあこんなのはどうでしょう?

「ブータン」
東アジアに位置する友好、中立を主とした君主国。
農業、林業が盛ん。

「ぶーたん」
もう、なんだかよくわからないけどギュッとしてやりたくなるような感じのもの。語尾は「〜なのら」


もう、書いててほんと意味わからなくなってきましたが、ようするに「漢字、ひらがな、カタカナでちょっと印象変わるんじゃねーの?」ってな事でした。

今日、得意先へのメールに
「今後ともヨロシクお願いします」
と書いて送ってしまって、やや焦りながら考えたことでした。



2月9日

不完全な燃焼。

すんません。
今日はやっぱりコレについて書かせて下さい。
だって、感動したんですもの。

日本VS北朝鮮

この歴史に残る試合を観戦すべく、僕は後輩N(バカ) と女友達Sを誘って近所のブラジル料理屋へ出かけました。
なぜブラジルかというと、単にサッカー流してそうだったから。


PM18:00、 少し遅れるという後輩Nを抜かして、良い席を確保するべく店へ。7時キックオフだと思ってたら7時30分だった。ちょっと早かったかな。

まあ、テンション上げるのにちょうどいいウォーミングアップとばかりに、とりあえず乾杯。

PM18:40、 後輩N登場。
「どっち応援するんスか?」
と、日ハム×ロッテ戦みたいなテンション。
「じゃ俺、北朝鮮〜!」
と、「どっちの料理ショー」みたいなことを連呼するバカに周囲の客からやや冷たい視線。
キャスティングミスを痛感しながらまた乾杯。

キックオフ直前。長い試合に向けトイレに行こうかな、と。
考えることはみな同じらしくトイレ大混雑。
で、席に戻ると



「なになにっ?始まってんじゃん!ってか点入ってんじゃん!」
S「小笠原の芸術的なフリーキックが決まりました。」
「てめなんでそんな冷静なんだよ。もっと喜べ!」
S「さっきもう喜んだもん」

ちきしょー。出だしで乗り遅れた。
まあいい。これから、がんがん日本のゴールラッシュがあるはず。ここは画面に集中しよう。














「マンセー!マンセー!」<後輩N

後半、北朝鮮が守備の隙をついて得点。静まりかえる店内にバカ後輩の万歳が響く。
やばい、殺される。
殺気立つお客様。うつむく僕とS

後半残りわずか。店内にはうっすらとあきらめムード。

6時から酒を飲み続け、ぐでんぐでんの僕はすでに愚痴モード。
「俊介出すのおせーんだよ」
なんてクダをまきながら目の前のジャガイモ料理をつついていると、突如










うぉーーーーーー! と、店内割れんばかりの歓声。

僕「ナニナニ?どうしたの?入った?」
S「大黒やってくれました。ってかまた見てなかったの?」
N「マンセー!マンセー!」<なんでも良いらしい

画面には得点シーンのリプレイ。
ゴール前のこぼれ球にするりと抜けだし押し込む大黒(髪型かわいい)。
「おー!」と叫んでも時すでに遅しでした。

にしても、おもしろかった。
高原、中村が出てきた時の歓声。
点を入れられた時のため息。
チャンス、ピンチのたびに変わる声にならない息づかい。

たとえ会場に行けなくても、ちょっとどこかに出かけるだけで、サッカー観戦は、何倍も面白くなると思いました。

後輩に
「先輩マジ空気読まない人っすね」
と言われました。
あと、後半終了間際に解説そっちのけで
「ハンドっ!ハンドっ!」
と叫んでいた松木さんが印象的でした。



2月10日

サン・サン・サン。

朝晩めっきり冷え込んできたじゃないですか。
昼間はいいんだけど夜、とくに寝るときに寒くてなかなか寝付けないの。
そこでね、先日ヒーターを買ったんですよ。
なんか扇風機みたいな形してるハロゲンのやつ。
さあ、これでポカポカ気持ちのいい睡眠が待ってるぜ。

スイッチオン!
・・・





















寝れるかぁーーっ!

なんかね、むちゃくちゃまぶしいんですよ。
真っ暗な部屋に真夏の太陽のごとく煌々と輝くハロゲンヒーター。
なんか取り調べうけてる夢とか見そう。




そこで、怒りに任せて散々調べた暖房器具。
独自の判断でランキング付けしてみます。
冬に向けて購入を考えている方は参考にしてください。


第5位
石油ストーブ

やっぱり火が燃えているのは断然あったかい。換気や取り扱いにはくれぐれも注意。


第4位
電気ストーブ

近づかないと暖かくないのが難点。狭い部屋向きかも。


第3位
ガスヒーター

即効性はピカ一。意外と部屋全体があたたまるよ。マサにガスだね。


第2位
オイルヒーター

春のようなやわらかい暖かさ。気持ちよさや安全性は断トツ。つけっぱにすると電気代がえらいことになるよ。


第1位
人のぬくもり

ちゃんと読んでくれた方、すみません。え?泣いてないよ。


というわけで今夜も凍えて眠ります。



2月11日

男と女、雄と雌。

今日はちょっとまじめな話です。

昨晩友だち(男3:女2)と飲みに行って来たんですね。
で、まあよくある話題なんですが

「男女の友情は成立しうるのか?」

ってので、盛り上がったんですよ。

まあ、大筋で言うと「成立はムリ!」という意見が中心だったんですが、僕は断じて「男女の友情は成立する!」と主張したい!




「でもさ、やっぱり相手が女の子だと気を遣ったりするでしょ?」
「友だちに気を遣って何が悪いのさ」<僕
「やっぱり男同士の時とちがうじゃん」
「それは相手に合わせて対応することで友情じゃないわけじゃない」
「本当の本当に大切な事って女の子に相談したりしないでしょ?」
「それも相手によるよ。性別じゃなくて人。男友達なら誰でも話すわけでもないでしょ」
「でも、彼女とか奥さんがいたら女友達とは遊ばないでしょ?」
「遊ばないから友だちじゃない、ってもんでもないでしょう。信頼とかそういうものがあるでしょうに。」
「じゃあ例えばさ、女友達とひとつの部屋に二人きりだったら、なんかそういうことするでしょ?」
するよ。でもさ、もうそのエッチするとかしないとかの話からして違うんだよ。」
「何が違うの?」
「別にいいじゃん。友だちとエッチしたって。エッチしたら友だちじゃない、っていうのが間違いの元なんだよ。」




自分、とても良いことを言っているつもりだったのに、 言えば言うほど女性陣が引いていたのは気のせいでしょうか。
正論だと思うんだけどな。

皆様いかがお考えでしょうか?



2月14日

台風上陸。

金曜の夜。
自宅でのんびりしていると携帯が鳴り出した。
見ると液晶には「公衆電話」の文字。
不審に思いながらも出てみると懐かしい声が聞こえてきた。

「もしもし、モン太だけどー」

モン太は大学時代の友人。卒業後奴は無計画にタイに渡り
なんかよくわからんけど今は一応ちゃんと働いているらしい。
が、
そんなことよりも問題は奴が「キング・オブ・末っ子」の僕をも 遙かに凌駕するほどの自己中ワガママ坊主であり、 究極のトラブルメーカーであることだった。

「今ね、成田に着いた」
「へえ」
「日本寒いね」
「そうね」
「迎えに来t・・」
「やだ」
「なんだよいいじゃ・・」
「いーやーだ」

僕は風呂に入ってのんびりしてたところ。
何が悲しくてあんなこの世の果てまで行かなきゃならないのでしょう。 するとモン太の野郎、懇願から脅迫へ方向転換しやがりました。

「バンコク来た時、迎えに行ってあげたよね」
「うっ」
「レンタカーまで借りて行ったんだよね」
「それは・・まあ・・ありがとう」
「そしたら飛行機遅れてて俺空港で2時間待ったんだよね」
「くっ・・」
「家にも泊めてあげたよね」
「わかったよ、行くよ!行きますよ!」

くそ。奴に借りを作った僕が間違えてた。成田だけで済めば良いんだけど・・
という僕の漠然とした不安は後に現実となるのでした。

<続く>

2月14日(2)

追いかけて、北国。

そんなこんなで、恨み言をいいながら成田へ。
約束の場所に到着すると・・・。

はい、バカ発見しました。
2月の冬空の下、Tシャツのバカがいます。
たしかにこれじゃ電車乗れません。

「お待たせー」
「おう、ありがとう」
「ってかバカだね」
「うん。上着忘れた」

よく見るとこのバカ、Tシャツを4〜5枚重ね着してます。しかたないので コートを貸してやって車へ。
暖房の効いた車内で人心地つくと、奴は言いました。

「日本寒いね」
「うん、冬だからね」
「そう、冬だよね。ねえ、雪は?」
「ここんとこ降ってないかな」
「雪ないの?」
「うん、北陸の方は降ってるらしいけど・・・っ!!」

しまった。何やら思いついたらしいモン太を見ながら嫌な予感に駆られる。
が、時すでに遅し。奴は続けます。

「ねえ、雪が見たい」
「まあ、仕方がないよね。そのうち降るよ」
「あたい、最後に雪が見たい・・・」

小芝居モードに入ってしまったモン太はすでに無敵。
僕は半ば覚悟を決めながらも抵抗を試みます。

「なあ、俺ここまで来てやったじゃん」
「それはありがとう」
「十分じゃん」
「あたい、雪が見たい」
「勝手に行けよ!」
「バンコクに来た時、迎えに行ったよね」
「だから俺も来てるじゃん」
「俺、レンタカー借りて色々案内してあげるって言ったよね」
「うっ・・」
「そしたらお前、カンボジア行っちゃったんだよね、黙って」
「いや、あれはちゃんと手紙で書き置きして・・」
「枕の下に書き置き残す奴がどこにいんだよ。チップじゃねーんだよ」
「ごめんなさい」
「俺凄い心配したんだよね。いなくなっちゃったって」
「はい・・・」
「ホント、警察に言おうかと悩んでさ」
「はい」
「友達にそんな心配かけてさ、なんとも思わないの?」
「申し訳ないと、思ってます」
「お前が・・殺ったんだろ?」
「・・すみませんでした」

結局バカの小芝居に巻き込まれつつ、成田から北陸へ向かうことに。
時刻は夜10時過ぎ。
ただではすまない小旅行が唐突に幕を開けたのでした。


<またつづく>

2月15日

ナビゲーションシステム。

そうして始まった、着の身着のままの北陸旅行。
当初成田に行くだけのつもりだったので旅行道具はもちろん、 地図さえも持っていません。
上の方、というアバウトな感じでとりあえず進むことに。
しかもモン太の「ローリスク、ローリターン」という よくわからない信念のため、高速道路は使用禁止。
下道だけで、行ったこともない北陸を目指します・・・。




「ねえ、今『茨城県』って書いてなかった?」
「うん」
「なんか間違ってない?」
「大丈夫だよ。水戸ぐらいで曲がれば」
「ずいぶん曖昧だね」
「水戸を左折で栃木を右折」

どこまでもいい加減なナビに一抹の不安を感じながらも車を走らせる僕。
深夜で道は空いているので、まあ距離は稼げているのですが、 いかんせん道がわからないのでどうにもなりません。
そうこうしているうちに車は水戸へ。時間は深夜1時を回っています。

「はい左折ね」
「なんでそんな自信満々なの?」
「だって日本地図を頭に浮かべてみ」
「?」
「北陸は水戸の左上でしょ?」
「はぁ」
「だから左に行って、右に行けばいいんじゃん」

やはりバカは考えのスケールが違います。
道が曲がってるとかは一切考えないようです。
まあ、ここまできたらどうにでもなれ、と僕も半ばやけになり 言われた通りに車を走らせます。


やがて、看板に「宇都宮」の文字が。
どうやら道はあっているようです。
が、時刻はもうすぐ午前3時。
かれこれ5時間近く運転しています。

「ねえ、運転代わってくんない?」
「・・・・・」
「ねえ、代わってよ」
「・・・・zzz」
「ありえない!あーりーえーなーいっ!」
「ん・・・どうしたの?」
「なんで寝てんの?」
「寝てないよ」
「寝てたじゃん。『zzz』って!」
「いや、考え事してたんだよ」
「どんだけ隙だらけで考えてんだよ!」

というわけで、バカをさんざん侮辱して強引に運転交替。 やっと休憩できます。
そしてさらに走ること数時間、周辺にちらほらと雪が見え始めました。

『↑日光』

「ねえ、日光だって!」
「そうだね」
「すげーよ、俺修学旅行以来かも」
「うん」
「いや、けっこう近いんだな。今度ゆっくり来ようぜ」
「ねえ、雪あるよ」
「え?」
「雪積もってるじゃん」
「そうだね」
「雪が見たかったんでしょ?」
「うん」
「ここでいいじゃん」
「だってまだ北陸じゃな・・」
「だーかーらー!雪が見たかっただけなんだからここでいいじゃん、もう」
「見損なったよ。そんな簡単に妥協しちまうなんて」
「そうだよ妥協だよ。よくやったよ、俺」
「お前な。日光なんて子供が来るとこだよ?」
「お前『今度来よう』って言ってたじゃん」
「いやだ。北陸に行きたいの、俺は」

どうやら僕は奴のワガママを甘く見ていたらしい。
チキショウと思いながらも、まだまだ長い道のりは続くのでした。

2月15日(2)

そして、僕らは風になった。

夜もすっかり明けて、周辺は一面の雪景色。
チェーンを付けたため、スピードは出せませんが
着実に目的地には近づいています。
天気は概ね良好。
徹夜でテンションも上昇し、道のりは上々・・・。


目の前の『冬期通行止め』の看板以外は。

「おめーがこっちって言ったんだろうが!」
「違うよ、あの富山ナンバーの車について行こうって言ったの」
「とっくに撒かれたよ」
「そりゃおめーが運転下手だからだろーが」
「あんな地元の走りについてけるわけねーだろ」

ぎゃーぎゃー言っているだけでは前に進めません。
なんとか打開策を考えねば。

「なあ、来た道戻るのだけはやだ」
「あ、俺も」
「だよな、人生にUターンとかありえねー」
「おう、前進あるのみだよ」
「よし、太陽があそこだから北はこっちだな」
「ホントか?すげーなお前」
「まかせとけ」









『ようこそ福島県へ』


「おい、なんで福島なんだよ。福島ってもっと右の方だろ?」
「わからねー。ぜんぜんわからねー。ってか現在地がわからん」
「くそ、左折だ。とりあえず左に行こう」









『群馬県』


「なぜ群馬!」
「群馬ってうっかり関東地方だろ」
「場合によっては」
「こんだけ走ってまだ関東から抜け出せねーのか」
「まるでお釈迦様の掌だな」
「くそ、次こそは。よしそこ右だ」
「よしきた」









『ようこそ福島県へ』


「テメふざけんな、ちゃんとやってんのか!」
「おめーがナビだろうが!」
「なんで、ちょいちょい福島に顔出してんだよ」
「知るか。むしろ俺が知りたい」

偉大な福島の影におびえるように車を走らせることさらに数時間。
僕らはついにその時を迎えた。




『ここから新潟県』


「ぃぃいやったーーー!」
「遂にやったな!」
「おう、とうとう辿り着いたね」

しばし、感動を喜び合う二人。
だが、バカはさらに続けた。

「ここまで来れば北陸も目の前だな!」
「は?」
「いや、だからもうすぐだよな?」
「いやいやいや。新潟は北陸だろ?」
「何言ってんだよ、北陸は富山からじゃん」
「ぜって違う!ぜって違う!」
「じゃあ聞いてみようぜ」

というわけで、急遽『新潟は北陸か』というクイズの答えを求めて 電話をかけることに。
まじで命にかかわります。頼むから北陸であってくれ。

まずは、偏差値20の秀才、後輩Nに

「もしもし、なあ新潟って北陸だよな?」
『それはわかんないけど、北斗晶のモノマネならできます』
「うっせテメ死ね」

「なんだって?」
「北陸だってよ」
「ウソつけ、今『死ね』とか言ってたじゃん」
「わかったよ。ちゃんとかける」


続いては目下お気に入りの美女、Kさんに。

「あ、もしもし。ひさしぶりー」
『あぁ久しぶりぃ。元気?何してるの?』
「いや、それがさー。聞いてよ。今さ・・」
『あ、ごめん!なんかお母さんが呼んでるー』
「あ、ごめんねなんか忙しい時に」
『ううん、全然。またあとで電話かけるね』
「ほんと?待ってるよ」
『うん、じゃーねー』

「なんだって?」
「北陸だって」
「ウソつけ。聞いてねーじゃん」
「ちっ。わかったよ、完璧な奴に聞くよ」


最後の砦はホントの秀才、国家公務員の友人T

「もしもし、あのさ、新潟って北陸?」
『いや、違うと思うよ』
「マジでぇー?」
『なんか問題あるの?』
「あるある、大問題だよ」
『ちっと待ってな』

と、なにやらパソコンで調べてる様子のT

『なんかさ、北陸○○整備局(←忘れた)ってのがあって』
「うん」
『新潟を含む北陸6県のって記載があるのよ』
「つまり?」
『うん、一般的には含まれないけど、特定の場合には北陸というひとくくりに入れる場合もないことはない・・・』
「よぉーし、でかしたT!お土産買って帰るからな!」
『どこにいるのよ、今?』
「今度ゆっくり話す。無事に帰れたら。じゃ、サンキュー」

「なんだって?」
「まごうことなき北陸、疑いの余地はないって」
「ほんとに?」
「だって今のTだよ?確実じゃね?」
「む・・確かに」
「よし、はい北陸到着!やったね」
「うん、じゃあ帰ろうか?」
「え?」
「いや、無事ついたし、そろそろ帰ろうよ」
「え、なんかしないの?名物食べるとか?」
「さっきおにぎり食べたじゃん」
「温泉入るとか?」
「どこにあんの、温泉?」
「・・・・・帰ろうか」
「帰ろうよ」

というわけで、10時間以上かけて辿り着いた念願の北陸。
滞在時間15分。
帰りは高速道路でさらっと帰って来ました。
3時間30分でつきました。

こんちくしょう。こんな奴と2度とかかわるか、と思うのですが、 野郎なぜか、僕の家に居候しています。
今度は歓迎会を開けとだだをこねています。
こんな奴なのになんか20人くらい集まりそうです。
僕の苦難もまだ続きそうです。




すみません。なんか本当にただの日記になってしましました。 
日記サイトで日記書いて「すみません」ってのも変な話ですが、
なんか、もうほんとすみませんでした。




2月16日

夢見るお年頃。

人の見た夢の話ほど聞いててつまんないものはありませんが
今日は夢の話をします。

僕は眠りが浅いのか、比較的よく夢を見ます。
そして多くの場合、その内容をはっきりと覚えています。
それは多くの場合、僕が見るのは悪夢だから。

こわい映画なんかを見た日には、こわい夢を見ます。
「エルム街」なんぞ見た日には、
当然のようにフレディさんが夢に登場します。

加えて言えば、僕は夢の中で十中八、九は死にます。
登場した時点で首がなかったこともあります。
焼けたり、凍えたり、切られたり、撃たれたり。
僕は夢の中で、死に様のフルコースを体験しています。

しかし。

そんな「死」よりもさらにテンションの下がる悪夢があるんです。

それはね。




虫。

僕は虫が大嫌いですので、
虫が出てくる夢はすべからく悪夢と言えます。

僕が昔住んでいたボロアパートはアリが大量に発生してました。






- -- - --- - - - - - - - -- ------ -- - - - -- -- -- --- -- ---- -- - - -





って感じの列が窓際から砂糖瓶に向けてのびていたんです。
だけならまだしも、なんか見る度にその列が増えていました。
しまいには列同士が交わったり交差したりして
ちょっとした交通渋滞が起きたりしてました。

で、そんな中で眠るわけですからやはり見る夢もアリさんです。
毎夜体中にアリが這う夢や、大きなアリに追われる夢を見続け、
もう精神が参ってしまっていました。

来る日も来る日もアリ、アリ、アリ。
僕は見る間にやせ細り、眼下は落ちくぼみ
まるで死を待つだけのような日々でした。

このままじゃ本当にやばい、と思い遂に引っ越しを決意。
そこからは電光石火の速さで
次の物件の選定や荷造りを進めました。


そして、引っ越しの当日。



ピンポーーーン

チャイムの音が鳴りました。
僕はのそのそと起きあがり玄関へ。
そしてー今思えば僕自身の不注意なのですがー
なんの確認もなくドアを開いてしまったのです。




すると!
そこに立つ男の服には


なんとアリさんが!
きゃあああああぁぁぁ




すみません。どうかしてました。
まあ、とにかくですね。虫が嫌いなのに虫の夢をよく見るんですよ。
で、その極めつけが蜘蛛なんです。
蜘蛛。
あんまり好きな人なんていないと思いますが。
僕、見るだけでもう気を失うほど嫌いなんです。

で、
やっぱりよく出てきちゃうんですね、夢に。

それでようやく昨晩の夢の話です。




-------
僕は知らない丘の上にいます。
周辺には遊具があり、たくさんの人が遊んでいます。
その時、
突然目の前に飛行機が落ちてきました。
周囲には悲鳴が飛び交います。
砕けた機体からたくさんの人が転げ落ち、
ぱっくりと割れた地面の底へ落ちていきました。
中には見知った顔もいました。
僕はどうすることもできず、ただそこから逃げ出しました。
ひらすら遠くへ、
どこまでも遠くへ。




・・・・・
僕は道を歩いていました。
知らない街です。
知らない街ですが、どこか懐かしい感じもします。
突然、僕は数人の男に囲まれました。
皆軍服を着ています。兵隊のようです。
彼らは僕に銃を突きつけながらどこかへ連行しました。




・・・・・
僕は暗い牢屋の中にいました。
4畳ほどの石牢で床は土のようです。
暗くて気付かなかったのですが、
足下には地面を埋め尽くすほどの蜘蛛が這っていました。
僕はパニックになり、地面の蜘蛛を踏みつぶしました。
後から後から増えてゆく蜘蛛を
いつまでも、いつまでも踏みつぶし続けました・・・




というムナクソ悪い夢でした。
気分を害した方、ごめんなさい。

で、夢分析とかに詳しい友人に話してみたら

「蜘蛛は多くの場合“女性・母性”の象徴だから
その夢は女性に対する劣等感もしくは強い憧れの反動」

という意見を頂きました。
ちくしょう、なんか当たってそう。



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